書展開催にあたって
 書は、生活に密着した形で用と美を兼ね備えたものとして発展してきた。その一方で、筆文字は、その領域が少しずつ減って、芸術としての書のみを指向する人々が増えつつある。
 最近は、せめてのし袋や年賀状程度は筆で書けたら、という方が多い。学んでみると「せめて・・・」のことを満たすことがいかに難しく時間を要するかに気づく。条幅作品を書くまでになると「書は芸術」とばかりに、実用としての書を軽く考えてしまいがちになる。
 好きな言葉や俳句・詩など、こころに響く言葉を見つけて自由な発想で作品にすることは楽しい。そして、その「書」をみて共感してくれる人がいればなお喜びを感ずる。
 その中で私は、「芸術としての書美」と「実用としての書美」の二兎を追う自分を、今は肯定している。

 斎藤溪石

さいとうけいせき みよし
斎藤溪石   (本名 三吉)
〒020-0173 岩手県岩手郡滝沢村滝沢字大崎224-6
TEL019-688-5074 FAX019-688-6692
略歴
1947年(昭和22年) 青森県に生まれる
吉丸竹軒に師事
1979年(昭和54年) 北日本書道専門学院 師範科卒業
毎日書道展 入 選
1981年(昭和56年) 岩手書道協会展 準大賞受賞
岩手芸術祭 芸術祭賞受賞
1990年(平成2年) 読売書法展 秀 逸受賞
岩手書道協会展 吉丸竹軒賞受賞
岩手芸術祭 奨励賞受賞
1991年(平成3年) 読売書法展 特 選受賞
岩手芸術祭 優秀賞受賞
1992年(平成4年) 読売書法展 特 選受賞
芸術祭賞受賞
1994年(平成6年) 岩手芸術祭 芸術祭賞受賞
1999年(平成11年) 日展初入選
現職
・岩手書道協会 副会長
・岩手芸術祭・岩手書道協会展 審査会員
・教育書道誌「北光」内員(審査員)
・いわて社会保険センター カルチャー教室 講師
・楽書書道倶楽部 主宰

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