第37回 及川利臣 蔵まち写生帖・1
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新しく生まれ変わっていく私たちのまち中町を歩いていると、それぞれのお店がそれぞれの仕事に適した姿でそこにあることが、少しづつ感じられるようになってきます。扱う商品、人の動き、お客さんへのもてなし……。色々なものが必要に応じて連動し、更に住む人の個性も加味されて、自然に形は生まれてくるものだなあと思いました。そんなことを感じているうち、いつかこのまちの家々を描いてみたいと思い立って約一年。仕事の合間に写真に撮ったりスケッチしたり、少しずつ描き進め、なんとか通りに面した新しいお店の分ができましたので、ここに住む皆さんや、このまちを訪れる方々にお見せし、まちを観る楽しさの一助になればと考え、展示させていただきました。本来なら、皆さんにひと言お話ししてから描くべきところ、寄る年波に最後まで描き続けることが出来るかどうか覚束なかったため、大言壮語はならず、大方の方には隠れて勝手に描いておりました。お許し下さい。そして描かせていただきありがとうございました。今後も横丁にあるお店やこれから新しくなるお店などを、体力気力が続く限り描き続けたいと思っていますのでよろしくお願いします。作品が溜まったら、いつかまたご覧に入れたいと思っております。 |